脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは?
顔や頭など、皮脂の多い部分を中心に生じる肌トラブルの1つです。
かゆみや皮膚の荒れなどが生じ、頭皮の場合はフケがたくさん出るようになります。
一時的な肌荒れやフケだろうと勘違いされることも多く、医療機関を受診しない人も少なくありません。
しかし、放っておいても改善しないだけではなく、症状が悪化してしまう恐れもあるので早期に皮膚科を受診することをおすすめします。
赤ちゃんから大人まで幅広い世代が発症する病気ですが、とくに皮脂が過剰分泌されやすい中高年の男性が発症しやすいといわれています。
原因
マラセチアというカビが繁殖することで脂漏性皮膚炎は発症に関係しています。
マラセチアは皮膚に常在しているカビですが、皮脂を栄養源としているので皮脂が増えることでマセラチアが増殖して炎症を起こしているのです。
また、皮脂はマセラチアなどの常在菌が遊離脂肪酸に分解していますが、遊離脂肪酸が皮膚に刺激を与えるため炎症を起こすことも原因の1つとして考えられます。
脂漏性皮膚炎はマセラチアと皮脂の分泌などが関係して発症しますが、これらが起こる要因は遺伝だけではなく、さまざまな要因が挙げられます。
ホルモンバランスの乱れや洗いすぎ、洗い残し、生活習慣の乱れなどの日常生活の習慣やストレスなどが皮脂の分泌量を増加させる要因になります。
症状
脂漏性皮膚炎は、皮脂が多い部分に発症しやすくなっています。そのため、頭皮や顔、耳の中や後ろ、背中、胸などの部分に生じます。
発症部分は皮膚が赤くなり、油っぽい細かい皮が張り付くような場合もあります。
痒みが生じることもありますが、痒みがないような場合も多いです。
頭皮が炎症を起こしている場合にはフケがたくさん出るようになります。
乾燥によって生じるフケとは異なり、脂っぽい大きな塊のフケであることが特徴です。
検査
脂漏性皮膚炎では特別な検査は行わず、問診や視診で確認します。
治療
マラセチアというカビの繁殖が原因で起こっていると考えられるため、抗真菌薬を用いて治療を行います。
症状の状態によっては炎症を抑制するためにステロイドの含まれた薬を用います。
塗り薬やローションタイプの薬となり、患部を綺麗にした後塗布していただきます。
頭皮は塗り薬では塗布が難しいため、ローションタイプの薬で地肌に塗ります。
痒みが強い場合には抗ヒスタミン薬、皮脂の分泌が多い時などにはビタミン剤が処方されることもあります。
注意点
皮脂の分泌量が増えすぎてしまわないように、脂質の多い食事を避けるようにして、栄養バランスの取れた食事や良質な睡眠を心掛けましょう。
ストレスや疲れを溜め込まないようにすることも大切です。
また、皮脂は綺麗に洗うことも大切ですが、皮膚を守るためにはある程度皮脂を残しておくことも必要です。
そのため、ベタツキが気になって洗いすぎていることが逆効果となり皮脂の過剰分泌を引き起こしている可能性もあるので、洗いすぎには注意をしましょう。
洗顔や洗髪の際には洗い残しがあると 毛穴に洗浄剤が残ってしまうことで毛穴詰まりを起こして皮脂が過剰になってしまうこともあります。
洗顔や洗髪では洗い残しが無いように綺麗に洗い流して下さい。