口唇炎

口唇炎とは?

口唇炎とは、唇の表面ににひびが入って亀裂が生じたり、唇が炎症を起こして赤く腫れたりぶつぶつと湿疹ができることを言います。口角にできると、口角炎と呼びます。

口唇炎の原因

口唇炎の原因は様々なことが考えられますが、
空気の乾燥により唇の表面が乾く、辛いものなどの刺激物を摂取、口紅やリップクリームが合わないなどが原因により引き起こされます。

口唇炎の歴史

いつから日本人が口唇炎に悩まされてきたかは明確な書籍などが残されていないため定かではありません。しかし、口唇炎の原因ともなる舌で唇をなめる行為、いわゆる「舌なめずり」という言葉は古い文学小説などでも使われている表現であることから、昔からこの下で唇をなめる行為は行われてきており、少なくともその行為をしている時代から口唇炎があったことが考えられます。また、女性の化粧が盛んとなると口紅によって唇が荒れたという記録があることから、化粧の普及によって口唇炎の患者様も増えていったのかもしれません。

口唇炎の症状

口唇の表面で炎症を起こしているわけですから、
がさがさしたり、突っ張った感じがしたり、かゆみがあったりすることがあります。
炎症がひどくなると、痛みが生じたり、傷ができたりすることあります。
細菌やカビが感染して、炎症が続くこともあります。

口唇炎の種類

口唇炎には4種類あります。
まず1つ目はアトピー性口唇炎と言い、いわゆるアトピー性皮膚炎と同様に唇の皮膚がアレルギー反応を引き起こすことによって生じます。原因は不明とされていますが、遺伝的な理由や栄養が原因に関係しているのではないかと言われています。

2つ目は接触性口唇炎といい、原因物質が唇に接触することで起こります。アレルギーとは無関係になるため、もともとアレルギー体質ではない人でも起こりうる可能性があります。当院皮膚科で接触性口唇炎と診断した患者様の例としては口紅やリップクリーム、洗顔料や歯磨き粉、歯科で歯列矯正を受けている方の矯正器具が接触性口唇炎の原因として多いです。この2つが口唇炎の種類として患者様が多いとされています。

3つ目は剥離性口唇炎といい、これは唇のターンオーバーが早まることで発症するもので、原因は不明とされています。

4つ目は肉芽腫性口唇炎といい、痛みや痒みなど口唇炎の典型的な症状がなく、口唇が腫れあがります。この原因には様々な要因が絡み合っていると言われており、歯周病や扁桃腺など口腔内からの疾患による感染、循環器障害やクローン病、自律神経疾患による影響、金属アレルギーや遺伝によるものなどが考えられています。どの口唇炎でも重症化すると唇がぶよぶよとして硬くなったり、炎症を起こした部分が色素沈着として残る可能性があります。

口唇炎の注意点

口唇炎になると、気になって唇を何度も舐めてしまうことが癖になってしまうこともあります。
舐めると、唇表面の脂分が取れてしまい、乾燥しやすくなるので、注意が必要です。
新宿の当院皮膚科では、お待たせしないよう、複数の常勤医師体制で診療しております。
口唇炎についてお悩みの方は、お気軽に当院皮膚科を受診ください。

口唇炎の検査

基本的には問診と、診察で診断をつけることができるため初回では大きな検査は行いません。
しかし、繰り返し口唇炎となっている場合や口唇炎の症状が重度である場合は原因特定のための血液検査や、他の疾患が原因ではないか調べるために組織検査を行う場合もあります。

口唇炎の治療薬

どの種類の口唇炎に対しても当院ではまず保湿剤を処方させて頂いております。初期の口唇炎である場合は保湿剤を塗布し刺激を避けることで早々に完治を目指すことができます。これにプラスして口唇炎の種類や症状に合わせてお薬を追加していきます。例えばアトピー性である場合は痒みが強く現れるため、かゆみ止めの内服薬を、症状が強い場合はステロイドの外用薬もしくは内服薬を処方させて頂きます。また、内服のビタミン剤などを処方させて頂くこともございます。

口唇炎の予防方法

口唇炎はその種類や症状によって予防方法が異なりますが、一般的に予防方法として効果的な方法をご紹介します。

まず1つ目は唇をなめないようにすることです。唾液には消化酵素が含まれています。
そのため、唇という皮膚が薄くて柔らかいところは舐めて唾液を付着させることでそれが刺激となり、口唇炎ができやすくなってしまいます。唇が乾燥しているからという理由でなめてしまう人もいますが、口唇炎を予防するためには唇をなめずに乾燥のケアができると良いでしょう。

2つ目は唇の乾燥です。唇が乾燥することで口を開けるなどの何気ない動作で亀裂が生じやすくなってしまいます。乾燥を予防するためには前述したように唇を舐めないということもポイントとなります。また他にもリップクリームを塗布したり部屋の湿度を上げるようにすると良いでしょう。市販のリップクリームでは様々な成分が含まれているものがあります。今の患者様の唇の状態にはどのようなものを使えばよいのか、当院皮膚科ではご相談も承っておりますので、迷った際にはぜひ一度相談にいらしてください。

3つ目は規則正しい生活を送ることです。唇も皮膚の一種であるためやはり生活習慣や食習慣によって状態が左右されます。早寝早起きの規則正しい生活を送り、バランスのとれた食事を摂るようにしましょう。特にビタミンB2やB6は皮膚や唇にとって効果的な成分なので積極的に摂ると良いでしょう。

4つ目は唇の日焼けを予防することです。日焼けも皮膚の薄い唇にとっては過剰な刺激となります。UVカット機能のあるリップクリームを使用するなどして日焼けを予防しましょう。

口唇炎の保険治療

新宿、西新宿地域にある当院皮膚科では口唇炎の治療のほとんどを保険診療で行うことができます。つきましては当院皮膚科を受診される際には必ず健康保険証をご持参いただきますようお願い申し上げます。

口唇炎の治療費用

当院皮膚科は新宿、西新宿を中心とした幅広い地域の患者様にご利用いただいております。開院時からのモットーである必要性のない薬の処方や診療はせず良質な医療の提供を行い、患者様の負担を減らしていくことを引き続き行ってまいります。口唇炎でお困りの方はぜひ一度当院皮膚科に足を運んでいただければと思います。