虫刺され

虫刺されとは

虫刺されとは、虫が人を刺したり噛みついたりしたことによって
皮膚もしくは全身に症状が現れることを言います。
虫刺されの皮膚症状は大きく分けて痛みと痒みに分類されます。

痒みは刺した際に皮膚に注入される物質によるアレルギー反応で起こるものとされており、
痛みは虫に刺された刺激によるものとされています。

症状は即時型反応と遅延型反応に分類されます。
即時型反応とは虫に刺された直後から痒み、発赤、発疹が出現し、数時間で軽快します。

遅延型反応とは虫に刺された1〜2日後に痒みや発疹、
水膨れができ、数日かけて快方に向かいます。

夏場によく被害を受ける蚊の場合では、
年齢とともに皮膚症状が変化することも知られており、幼児期には遅延型反応のみが現れ、
幼児期から青年期には即時型反応から遅延型反応の両方が現れます。

青年期から壮年期には即時型反応のみが現れ、
老年期には反応がなくなることが多いとされています。

年齢や体質によっても差がありますが、
一般に多く刺されたことのある人ほど後天性免疫を得ることができ、
症状が出なくなる可能性が高くなります。

また、人の生命を脅かすほどの猛毒を持った虫はほとんどいないとされているものの、
刺された後に強いアレルギー反応が現れると
腹痛や意識消失や気分不良を起こす可能性もあります。
特に、ハチは注意したい虫であり、
刺されることで30分以内にショック症状を起こす特異体質の人もいるので注意が必要です。

虫刺されの原因

虫刺されの原因は虫に刺されることです。
虫に刺されると一口で言っても針や触手で刺される、体毛で刺すなど様々です。

虫は定義が曖昧であるものの一般的に、昆虫と、節足動物に分類されます。
この中でも虫刺されの原因となる虫は、昆虫類では蚊、ノミ、ブユ、ハチ、トコジラミ、
アブ、ケムシなど、節足動物類ではダニ、クモ、ムカデなどとなります。

虫は同じ種類でもすべてが毒を持っているとは限らず、同じ種類の虫でも無毒のものもいます。

虫刺されの治療方法

虫刺されの治療は後述します通り塗薬と内服薬を使用した治療が主となります。

また、有毒で針を持っている虫に刺された場合には患部を清潔にすることが必要です。
近くに水道がある場合には洗い流して針を抜くことが必要ですが、
刺された直後に来院して頂ければ当院で針を抜き、清潔にさせていただきます。

虫刺されによる痒みは掻くことで増し、小さなお子様ではとびひに移行する可能性もあるため、
小さなお子様に対してはシールタイプのお薬を使用することもございます。

また、ハチに刺されてショック症状が現れると、アレルギー反応が出たなどで全身の症状が
強く現れている場合は当院より救急搬送を手配させて頂く場合もございます。

虫刺されの治療薬

虫刺されの治療は主に現在の皮膚症状を改善させる治療を行います。
新宿、西新宿地域にある当院皮膚科には痒みや赤みが現れて受診をされる方が多いため、
痒みや赤みに対する抗ヒスタミンの塗り薬やステロイドの内服薬を処方しています。

虫刺されの検査

虫刺されは基本的に診察で診断ができるので特別な検査は行いませんが、
アレルギー反応が強く現れている際には採血などでアレルギーについて調べることもあります。

また当院皮膚科にも虫刺されで受診する患者様は多くいらっしゃいますが、
症状は出ているが、どの虫に刺されたのかが分からないという方が多くいます。

治療の手掛かりとなるため、分かる範囲でどの虫に刺されたか、
またどんな虫が近くにいたかなどの情報を診察時に提供して頂ければと思います。

虫刺されの予防方法

虫刺されの予防は刺された原因となっている虫によって異なります。
室内で蚊やダニ、ノミなどに刺された場合には燻煙殺虫剤などの使用が推奨されます。

外出先では、防虫スプレーや携帯用蚊取り等の忌避剤を使用したり、
虫が出そうな所へ出かける際には肌の露出を避けることで予防できます。

また、極力毒性の虫などが生息する場所へ行くことを避けることも望ましいです。

虫刺されの歴史

虫刺されについて日本では古くから対策がとられていたようです。
奈良時代の日本書紀には、当時の中国である唐の国から蚊帳を送られたという記録があります。

そして、蚊帳は平安時代には一般庶民も使用するようになり、
現在の蚊帳のようなスタイルは江戸時代から普及したとされています。
また、予防だけでなく江戸時代になると治療も行われるようになり、
日本で初めての虫刺されによる痒みを抑える薬はこの頃から考案され始めたとされています。

現在虫刺されの市販薬を発売している会社も発売から
80年、90年と 歴史の深い会社が多く、 これらのことから虫刺されは古くから
我々日本人の生活の中に存在した皮膚病であったのかもしれません。

虫刺されの保険診療

当院皮膚科では虫刺されの治療を保険診療内で行っております。 そのため、当院へ来院される際には必ず健康保険証をご持参いただきますよう宜しくお願い致します。

虫刺されの治療費用

新宿、西新宿を中心とした幅広いエリアの方にご利用いただいている当院皮膚科では必要性のない治療や投薬はせず、患者様の負担を最小限とした質の高い医療の提供をモットーにしております。

虫刺されは軽度であっても放置することで悪化したり、跡を残してしまうこともあります。虫刺されでお悩みの方やまず一度相談をしたいという方はどうぞお気軽に当院皮膚科をご利用いただければと思います。