手荒れ

手荒れとは

手荒れとは、手湿疹、主婦湿疹とも呼ばれますが、シャンプーなどを日常的に使用する美容師、
水仕事をする飲食店勤務の方や主婦、紙を扱う仕事の方に多い病気です。

冬場の乾燥しやすい季節に悪化しやすいですが、1年中起こる可能性があります。

もう少しイメージしやすく説明しますと、
手荒れは「肌のバリア機能が低下している状態」のことです。

特に、「手」という部位は他の部位の皮膚と比較すると皮脂腺(皮脂を分泌する組織)の分布が
極めて少なく、皮脂による肌のバリア機能はあまり期待できません。
そのため、前述の職業に従事している人の場合は低下しているバリア機能の隙きをつかれる形で
手の角質層にダメージを負うことになり、手荒れを引き起こしやすくなるのです。

手荒れの原因

手荒れの原因としては、刺激性とアレルギー性の2つに分けることができます。
刺激性とは、水洗いなど外的な刺激が原因で、アレルギー性とは、
ラテックスなどのアレルギー物質が原因で起こります。

刺激性の場合、まず「主婦」や「飲食店に勤務している人」の場合だと、
食器用洗剤を使用することが手荒れの原因になりやすいです。

洗剤は、ただでさえ手に少ない皮脂を根こそぎ洗い流し、
肌のバリア機能を急激に低下させてしまいます。

また、飲食店の場合であれば「アルコール消毒」も、アルコールの刺激が原因により、
手荒れを引き起こしてしまう可能性が高まります。
また、日常的に「紙」や「ダンボール紙」に触れる機会が多い人も手荒れを引き起こす可能性が
高いです。

ともかく、刺激性の手荒れは、手の皮脂を喪失させるような原因に触れる機会が多い人に
多く見られるタイプの手荒れであると言えます。
上述した以外にも、さまざまな原因で手の皮脂を喪失してしまうため、
一般的な原因以外でも場合によっては刺激性の手荒れの原因となる可能性があります。

新宿・西新宿近辺でも、職業柄どうしても手を洗う必要があり、
手の皮脂を失ってしまうような仕事に従事している方が多いです。

アレルギー性の場合は、
基本的に「アレルゲンとの接触」によって手荒れを引き起こしてしまいます。
アレルギーは、今まで何ともなかったものに対して急に症状が現れることも考えられます。
特に、皮膚にとって刺激となる物質に頻繁に触れていると、特定の物質に対して
アレルギー反応を引き起こしやすくなる可能性があります。

また、アレルギー性の手荒れの症状に関しては、アレルゲンとの接触からどれだけの時間で症状が
発生するかということに個人差があるので、中でもアレルゲンとの接触から一日以上の時間差で
症状が発生するタイプの人の場合、個人ではアレルゲンの特定が難しいこともあります。

手荒れの症状

手のひらや指を中心に、乾燥、かさかさ、皮むけなどの症状があり、ひどいと、水ぶくれ、
ひび割れ、じゅくじゅくしたびらんなどの症状を伴うことがあります。
刺激を受けやすい利き手の方が悪化することが多い傾向にあります。

症状については個人差もありますが、
手荒れの症状は大きく分けて五段階の症状に分けることができます。

まず、初期の手荒れです。この頃はあまり症状も激しいものではなく、
「ちょっと指先がかさついているかな?」程度の自覚症状しかありません。
よほど手の状態に敏感な人でなければ、気が付かないこともあります。

次の段階では、指先だけだったかさつきが手の全体に広がっていきます。
また、軽いひび割れや皮むけなども、この時期に起こるものです。
指紋にも影響することがあります。

次の段階になると、ひび割れがひどくなり、手の肌に赤みが目立つようになります。
また、肌の状態によっては若干の出血を伴うこともあります。

さらに症状が進むと、出血がひどくなり、赤みがかった部分は次第に腫れ上がっていきます。
腫れた部分にはかゆみを感じることがあります。
また、ひび割れもひどくなり、割れた部分に痛みを感じることが多くなります。

これをさらに放置すると、痛みやかゆみはさらに重症になり、水膨れも起こります。
また、腫れや水膨れの状態によっては、指を曲げる動作にも支障をきたすようになります。
症状が進むごとに生活に支障をきたすレベルの症状に発展していきますので、
自覚症状の少ない内に治療を進める必要があります。

手荒れの治療法

保湿剤とステロイドの塗り薬を使用します。

保湿剤で、手を保護することにより、乾燥を防ぐことができます。ヘパリン類似性物質のヒルドイドや、尿素の入ったウレパール、ケラチナミン、刺激の少ないワセリンなどを使用します。

ステロイドの塗り薬は、症状が強い場合は、強めのステロイド(デルモベート、アンテベート、ネリゾナなど)を、症状があまりひどくない場合は、弱めのステロイド(リンデロンVG,リドメックスなど)を使用し、塗る回数や量を調整するとよいでしょう。

パソコンや書類などを扱うお仕事で、手がべとつくとまずい方は、軟膏よりもクリームがおすすめです。

傷口がある場合は、クリームよりも、軟膏タイプの塗り薬がよいでしょう。

手荒れの注意点

手荒れは刺激を回避することが重要になります。とはいっても、現実的には、刺激を避けることができない方も多いかもしれません。

できるだけこまめに手袋をする、じゅくじゅくするようだったら、ガーゼで保護する、寝る前には、通気性の良い木綿の手袋をするといったことが大切です。

治りが悪い場合は、まれに、カンジダ、白癬菌(水虫)、梅毒などのこともあります。

新宿・西新宿にお住まいの方で、手荒れの治療のために皮膚科をお探しの方は、
当院皮膚科をお気軽にご利用ください。