じんましん(蕁麻疹)
蕁麻疹とは
蕁麻疹とは、激しいかゆみを伴い、皮膚が蚊に刺されたように、赤くなり腫れ盛り上がる病気です。蕁麻疹の多くは、皮膚に小さな赤い発疹ができ、かゆみが強いため掻くことで膨隆疹となり広がっていきます。ときにはかゆみだけではなくチクチクした痛みを伴うことがあります。
地図のように不規則な形や米粒くらいの円形の大きさなどいろいろな形状になります。
数時間くらいで消えて、また違う場所に出現することが多く、体にできる部位も一定ではありません。蕁麻疹ができる部位は、体全体の皮膚表面から喉などの粘膜にも生じます。
通常は24時間以内に発疹はおさまります。
発疹が4週以上にわたって繰り返し続く場合は、慢性じんま疹と呼ばれています。
皮膚の真皮にある肥満細胞がヒスタミンという物質を作り出し、かゆみとともに毛細血管が拡張して、血管の透過性が高まり、皮膚の浮腫を起こさせ、皮膚を盛り上がらせます。
5人に1人が、一生に一度は経験することがある頻度の高い病気です。
蕁麻疹の歴史
この病名の漢字の由来を手繰ってみると、日本の植物でイラクサというものがあります。
このイラクサの葉や茎には刺毛があり、触ると燃焼感や痛みを発する物質を含んでいるといわれています。
中国ではイラクサを「蕁麻」といわれていますが、蕁麻疹の痛みがこのイラクサに触った時の痛みと似ていることから「蕁麻」の発疹、「蕁麻疹」になったと言われています。
じんましんの種類
新宿や西新宿においては、肌のトラブルで悩んでいる方々多くに当院皮膚科をご利用いただいております。当院では蕁麻疹の診療にも力を入れております。
アレルギー性蕁麻疹
通常は異物(抗原)に対して身体を守る機能(抗体)が備わっています(抗原抗体反応)。しかしこのシステムが崩れて、異物でないにもかかわらず特定の植物や食べ物に対して異物だと判断して反応をおこしてかゆみや湿疹が生じます。
ハウスダストやペットの毛、ダニ、食物の花粉、ムカデなどの虫が抗原となり症状が現れます。
機械性蕁麻疹
下着の強めのゴム、腕時計のベルト、ズボンベルト、重たいかばんの持ち手など物理的な刺激で症状が現れます。
温熱蕁麻疹
入浴や暖房にあたったときなどに温度の変化を感じ、温熱が刺激となってかゆみと赤い膨隆疹ができます。
暖房、風呂、コタツ、布団などの温暖刺激で症状が現れます。好発部位は、血管が集中した太もも、乾燥した関節部分などで温度変化を敏感にキャッチして起こります。
寒冷性蕁麻疹
裸足で冷たい床を歩く、冬の外気にあたるなど体温よりも低い場所に行くことで肌にピリピリ感を感じ、いずれかゆみに変わることで湿疹が生じます。
エアコン、扇風機、外などで冷たい刺激を受けで症状が現れます
日光蕁麻疹
紫外線が強い時期に多く見られます。紫外線の強い春から秋くらいまでの間に、直射日光を受けて症状が現れます。体調が悪い時など、太陽に素肌で当たった部分がかゆくなったり赤みがでたり、1時間以上も症状が続くことがあります。
コリン性蕁麻疹
10代~30代に多く見られるじんましんです。汗をかくことでアセチルコリンという物質が放出され、かゆみと赤みが生じます。
「アセチルコリン」という物質が運動などで汗をかいた場所に集まり、停滞してしまうことで起きる症状です。小さな湿疹が特徴です。
心因性蕁麻疹
精神的ショックや、ストレスなど心に負担を抱えたときに、かゆみと皮膚に赤いふくらみが生じます。ストレス、心の不安、内向的、うつ症状、自律神経失調症などが原因で身体表面に症状がでます。
病巣感染による蕁麻疹
細菌やウイルスなどで風邪や歯の病気、扁桃腺炎などを起こしますが、その菌の死骸などが残ることで、その病巣とはかけ離れた場所に症状が現れることがあります。
特発性蕁麻疹
過労やストレスが誘発原因だろうと予測されますが、はっきりした原因のわからない蕁麻疹で、患者さんの80%がこの種類にあたります。
機械的じんましん
ベルトや下着のゴム、腕時計などの物理的な刺激で皮膚が圧迫され、細胞からヒスタミンという物質が放出されることでかゆみや湿疹が生じます。
蕁麻疹(じんましん)の原因
原因は、食べ物、ほこり、精神的なストレス、日光、圧迫摩擦などの物理的刺激、薬、ウイルスや細菌による感染症など様々なものあります。薬や食べ物が原因 となる場合はアレルギー性のことが多く、再度、原因の薬や食べ物を摂取すると、繰り返し症状が出現します。しかし、それ以外の場合は、じんま疹が出る仕組 みははっきりとわかっていません。最近になりマスト細胞に作用してヒスタミンを分泌させる自己抗体が原因の場合があることもわかってきましたが、慢性じん ま疹の約80%は原因不明といわれています。
蕁麻疹(じんましん)の症状
蕁麻疹の多くは、強いかゆみとともに身体の部位に、赤みががった、みみずばれのような発疹が急に出現します。かゆみが強いためにかくと、蚊に刺されたように、引っかいた部位がみみずばれのように腫れることもあります。
じんましんの症状には、焼けるような熱さやチクチクとしたりすることもあったり、悪化すると痛みを感じることもあります。どうしようもないくらい強いかゆみを感じることが多いのですが、実は存在感がありながら、かゆみをあまり感じないこともあり、一目でじんましんになったと判断することは難しいです。
症状は通常、24時間以内には痕(あと)を残さないで、きれいに治ってしまいます。数日間は新しい発疹が続くことがあり、慢性化することもあります。一般にいわれるほど、肝臓など内臓異常の頻度は高くありません。
じんましんの症例
・夕方のだいたい同じ時間帯に発症。入浴やアルコールを摂取することがきっかけとなる。痒みが強く、虫刺されのような発疹から始まりやがて硬いかたまりのようになって首筋全体まで広がる。
こういった成人の蕁麻疹には、抗ヒスタミン剤の処方と禁酒や料理全般の味付けを薄くするなどの生活改善によって治癒していきます。
・お腹全体に小さな発疹からはじまり、地図状に広がった感じになる。よく見ると膨隆した発疹の中央は白く、周囲だけ赤みが強くなっている。
何か月も続く慢性的な蕁麻疹で、心因性の原因に伴うものと思われます。
抗ヒスタミン剤が効きにくいため、少量のステロイド剤の内服も併用としていきます。
じんましんの治療方法
新宿をはじめ西新宿駅周辺には内科も皮膚科も多くあり、蕁麻疹の治療はどちらが適当だろうと思う方もいらっしゃいますが、当院皮膚科においては原因に沿った丁寧な治療をおこなっております。
治療法のひとつは、蕁麻疹の原因となっている物質に携わらないということです。原因を究明することも治療となりますので、血液検査やスクリーニング検査を行います。原因物質がわかったところで、その物質から回避していただきます。
食べ物では欠かせない調味料などがありましたら、量の調整をしてもらうなどの指導をしていきます。
もう一つの治療法は薬物療法です。
蕁麻疹の中には、ヒスタミンの作用で症状が悪化することが多くみられます。ヒスタミンは肥満細胞で作られています。体内に病原体が侵入することでヒスタミンが放出され、それに対抗するために免疫機能が働きます。そこで炎症がおきて、身体の痒みや湿疹、発赤などが生じてしまいます。
そのため、このヒスタミンをおさえる目的の「抗ヒスタミン剤」の内服薬や軟膏を処方していきます。
じんましんの予防方法について
蕁麻疹の原因を知ることが一番重要です。
蕁麻疹の原因がはっきりしていれば、原因物質を避けることで大きな予防になります。じんましんが出る前数時間の間に、どんなものに接触したか、近くに植物やペットはいなかったか、何を食べたかなどをしっかり思い出してみてください。
しかし原因がわからない場合には、生活全般を通して気を付けていかなければなりません。
食生活の見直し
食品や食材のアレルギーであれば、添加物や外食の食材などに注意が必要です。身体の免疫機能を強化するためには、腸内環境を良くしましょう。脂質を控えてビタミンやミネラル豊富な食品を摂るように心がけてください。
発症の原因物質には触れない
花粉に弱ければ、花粉の多い時期にはマスクなどで防御したり、草木や動物には触れないようにしましょう。
皮膚は清潔に保つ
運動後に症状が出る場合もあるので、汗の処理をこまめにする、寝具や衣類は清潔なものを使用するようにしましょう。
ストレス発散
毎日の睡眠や休息をしっかりと取るようにし、ホルモンバランスを整えましょう。
当院皮膚科に受診される患者さんにも、新宿や西新宿の会社内だけではなくその周辺や環境変化の有無など広範囲にわたってお伺いしていますが、心当たりがあると血液検査で原因追及が可能となります。
またストレスや偏食はじんましんの原因を刺激する誘発剤となります。
日頃から休息、睡眠、バランスのとれた食事を心がけていくことが予防の第一歩となります。
じんましんに効く食べ物・料理
じんましんの原因が特定の食べ物であれば絶対的に避けなければいけませんが、それ以外であれば毒素を排泄するという意味ではビタミンC含有量100%であるレモンが良いといわれています。レモンはコラーゲンの生成にも助成するので皮膚にとっては保湿の面でも有効的です。
免疫機能は腸で作られるものですので、善玉菌を増やして腸内を掃除しましょう。善玉菌を増やすには、ヨーグルトや味噌、醤油、漬物、納豆などの発酵食品が効果的です。
便秘も免疫細胞を増やすうえでは阻害因子になりますので、食物繊維も十分に摂るように心がけると良いでしょう。
また、痒みの原因になるヒスタミンをおさえる働きのある食材もとりいれると良いです。ビタミンCは体内の炎症や「体のサビ」の形成にストッパーを掛けます。また、ストレス解消にも効果がありますので、オレンジやレモンがおすすめです。
肉や魚は、それ自体が蕁麻疹に悪くはないのですが、寄生虫が症状を引き起こす場合があるので、加熱調理することをおすすめします。
じんましんに効く食べ物
ブロッコリー、キャベツ、小松菜、ヨーグルトや味噌、醤油、漬物、納豆、オレンジ、レモン
じんましんに効く飲み物
緑茶、甜茶など
じんましんに効く食事
じんましんは原因不明で現れるケースが多いため、食事で抵抗力を高めることが必要ですのでバランスの良い食事が基本です。
インスタント食品や加工食品には添加物が使われており、これらが原因となることがあります。できるだけこういったものを避けることも予防となります。
また、免疫機能を高めると方法としては、乳酸菌や食物繊維を含んだ野菜や果物中心の食事で腸内環境を良くすることが大切です。
じんましんの注意点
じんましんはかゆいけれど時間が経つとそのうち消えるからと、安易に考えて放置しないようにしましょう。
原因が食物であると、その食べ物によっては重症になることもあります。すぐに皮膚科を受診するようにしましょう。
じんましんの治療薬
じんましんの治療薬としては、抗ヒスタミン薬(アタラックス、ポララミンなど)や抗アレルギー薬(アレジオン、サジテン、ジルテック、アレグラなど)を主に処方いたします。
症状がひどい場合にはステロイド薬(プレドニン)を使用したりもします。
じんましんの検査
問診により原因を想定することが一番重要ですが、必要に応じて血液検査を行い、血清中のIgEの量を見ることで花粉や食物に対するアレルギー反応を調べます。
ほかには、皮膚スクラッチテスト、皮内反応テスト、皮膚パッチテストなどでアレルギーの原因物質が皮膚にどういう影響を与えるか診ていきます。
じんましんの保険診療
じんましんの診療はアレルゲンの検査と薬の処方が主な内容となっておりますので、保険診療内となっております。
高額となる検査や治療はしておりませんのでご安心ください。
じんましんの治療費用
診察料に加え、検査やお薬の処方がある場合はその料金がかかります。
新宿や西新宿、東京都内の方々を中心に診療させていただいておりますが、当院皮膚科では、患者様の医療費負担をできるだけ軽くできるように、無駄な検査や薬の処方などを排除しております。
じんましんをはじめ皮膚に関するトラブルに対して、患者様の悩みを解消し、豊かな心で生活が送れるような方向付けをさせていただいております。
親切な対応とスムーズは診療をモットーにしておりますので、じんましんの治療にはぜひ当院皮膚科をご利用いただけるよう心よりお待ち申し上げております。