脂質異常症
脂質異常症とは
新宿や西新宿でも疲労感がのぞかれる方々をよくお見受けします。当院内科ではちょっとした体調不良に対する治療から継続的な治療、また検診に至るまで幅広く診療させていただいております。
「脂質異常症」とは聞きなれない方もいるかもしれませんが、以前には「高脂血症」と呼ばれていたものです。
特徴としては、女性は男性に比べて2倍以上の発症率です。高齢に伴っても多くなりますが、人口全般的にも年々増加している病気です。
「脂質異常症」は健康診断などで行われる血液検査のうち、以下の条件をもとに診断されます。
・LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が基準値より高い
・トリグリセライド(中性脂肪)が基準値より高い
・HDLコレステロール(善玉コレステロール)が基準値より低い
この3つの数値が引き金となって血管の内壁にゴミがたまり血液の通り道が狭くなります。すると高血圧に拍車をかけたり、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こしたりと命に関わる病気を引き起こすため、重要な数値となります。
脂質異常症の原因
原因は大きく3つに分かれます。
生活習慣によるもの
・過食する習慣や偏食になりがち。脂っこい食品や肉類などの動物性脂肪を多く摂る、間食 も多くスナック菓子や甘いものなど、おやつが大好きでしょっちゅう食べる。
・アルコールを飲み過ぎる
・タバコを吸う
・運動をしない
・ストレスがたまることが多い
遺伝によるもの
「家族性高コレステロール血症」とも呼ばれ、日常的に気を付けていても、発症してしまいます。
肝臓で生成されたコレステロールは細胞に届けられるものですが、届けるための成分が遺伝により機能しないため、本来ならば細胞に送られるはずのコレステロールが血液内で浮いている状態になります。
遺伝が原因である場合の特徴は、LDLコレステロール値の異常なまでの上昇と、若いうちにも動脈硬化が発症ことが挙げられます。
他の病気が原因となるもの
食生活に関係なく、罹患している病気が影響して脂質異常症となるケースもあります。
甲状腺機能低下症です。甲状腺ホルモンは、LDL(細胞にコレステロールを運ぶ)の受容体を増やす働きがあります。しかし甲状腺機能低下症により甲状腺ホルモンが減少し、受容体も減ってしまった状態では、血中のコレステロールが行き場を失って血管に貯留してしまいます。
その他には、糖尿病、膠原病、肝硬変症、ネフローゼ症候群なども脂質異常症の原因となります。
また、高血圧薬、抗炎症剤、経口避妊薬、抗うつ剤などの中には、副作用として脂質異常症をもたらすものもあります。
脂質異常症の症状
脂質異常症と診断されても、明らかな自覚症状や外見的に見えるものはありません。
しかし、遺伝性の家族性高コレステロール血症の方では、あふれた脂質が一つの細胞に変化して関節に付着してしまう「黄色腫」が見られることがあります。
主に、膝やアキレス腱に塊状にできるものや、黒目のふちに白い輪ができたりします。
健康診断などで脂質異常症であると認識しながら定期的な診察や検査を受けている場合は、数値で脂質異常症の悪化や改善が判断できます。
しかし放置してしまった場合は、脳梗塞や狭心症になってから胸痛や頭痛、果てには意識障害などとして症状が現れることになります。
脂質異常症の治療方法
LDLコレステロール値と中性脂肪値が上昇している場合には、まずはそれまでの生活の仕方を見直してもらいます。
食事に気を付けながら運動をとりいれた規則的な生活をしていただき、定期的な血液検査を通して状態の追跡を行っていきます。
それでも、LDLコレステロール値と中性脂肪値が下がらない場合は薬物療法も加えていきます。
ただし、女性関しては、閉経前と閉経後では女性ホルモンの分泌が変わってきますので考慮する部分があります。
女性ホルモンのエストロゲンは、必然的にLDLコレステロールを上げない作用があります。ですから比較的若い方であれば、運動中心の生活習慣の指導だけでいいのですが、閉経後はリスクを多く抱えてしまっているのと同様ですので薬物療法も併用して行うこともあります。
脂質異常症の予防方法
新宿にお住まいの方や西新宿に通勤なさっている方でも、検診で脂質異常症だったということを機に、当院内科で相談含めたフォローを行っております。
薬だけの効果を期待するのではなく、自分でできる予防法もアドバイスさせていただいております。
食事のポイント
・コレステロールの多い食品(卵、マヨネーズなど)や動物性脂肪の多い食品(肉の脂身や内臓、バターなどの加工食品)を避ける
・食物繊維(緑黄色野菜、海藻類)、タンパク質(豆腐など)、魚類を多く摂取する
・規則正しく、暴飲暴食はしない
・アルコールを控える
運動のポイント
運動は新陳代謝を高め、内臓の機能もアップさせます。ちょっとつらいくらいの運動を一日30分目途に毎日継続します。
ウォーキングであれば、早足で少し発汗があるくらいがちょうど良いです。ストレッチも含めるとより効果的です。