逆流性食道炎
逆流性食道炎について
逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、そこにとどまるために、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じる病気です。逆流性食道炎は、もともと日本人には少ない病気でしたが、食生活の変化などによって、最近、患者さんが増えています。
原因
胃から食道への逆流を防ぐ仕組みが働かなくなったり、胃酸の分泌が増えすぎたりして、胃の内容物が食道に逆流して長くとどまることで起こります。
治療法
生活習慣の改善と薬物療法が治療の中心です。重症の場合は手術をすることもあります。
生活習慣の改善
逆流性食道炎の治療でまず大切なのは、食事、姿勢、服装など、逆流性食道炎を起こす生活習慣を変えていくことです。
薬物療法
生活習慣の改善だけでは、症状を完全になくすのは難しいため、多くの患者さんは生活習慣の改善とあわせて薬による治療を行います。薬による治療を始めると、多くの方では、すみやかに症状はなくなります。ただ、症状がなくなっても、食道の炎症、びらん、潰瘍はすぐに治るわけではありませんので、しばらくは薬を飲み続ける必要があります。また、現在使われている薬では、胃から食道への逆流を根本から治すことはできないため、治癒した後に服薬をやめると再発する方が少なくありません。そうした方では、薬を長い間飲み続ける治療(維持療法)も行われます。
食道の炎症やびらん、潰瘍の程度が軽く、胸やけなどの症状もときどきしか起こらないような方では、症状がある時だけ服薬する治療が行われることもあります。
手術
生活習慣の改善や薬で効果がなかった時、再発を繰り返す時には、手術を行うことがあります。最近は、内視鏡の一種である腹腔鏡を使った手術が増えてきています。