インフルエンザ迅速検査

インフルエンザに関しては、テレビなどマスメディアでその怖さはよく理解されている方が多いかと思います。しかし、近年では特効薬といえる薬が開発されたことから、比較的すぐに治る方も増えてきました。その結果、「そこまで怖い病気では無いのかも?」と考えてしまう方がいらっしゃるのです。インフルエンザは怖い病気ですし、重症化すれば命を落としてしまう危険性もあります。そういった危険性から身を守るために、インフルエンザ迅速検査についても知っておいて下さいね。

インフルエンザ迅速検査とは

インフルエンザ迅速検査というのは、その名の通りで迅速に検査結果を出す事が出来ます。通常では細菌培養検査にかけるのですが、それでは間に合いません。というのも、高熱が症状の特徴です。この高熱が出てからすぐに薬の服用を開始しなければ、いくら特効薬といっても最大の効果を発揮する事は出来ません。そのため迅速に検査する必要があるのです。この検査方法ならその日に結果が出ますので、患者さん側としてもモヤモヤしつつ結果を待つ必要がありません。また、大規模な施設などを必要としないので、医療機関にとっても検査出来る優秀な方法です。

インフルエンザ迅速検査には色々な種類があり、それによって陽性率が異なります。

検査が遅れればそれだけ治療の着手も遅くなってしまいます。お子様の場合、激しく抵抗している場合などは検査がなかなか進まない事もありますし、日を改めなければならないケースもあります。何より、検査を怖がるお子様が多いですね。しかし、鼻をぬぐうだけという簡単な方法もありますので、これなら全く痛みも無いですし、違和感も感じません。もしお子様が病院に行くのを嫌がっているようでしたら、こういう検査もあるよ、と教えてあげて下さいね。

そして、インフルエンザには検査を受けるのに最適な時期というのがあります。まず高熱が出ますので、この時点ですぐに病院に行くという方も多いでしょう。しかし、実際には24時間以降程度がベストだと言われています。もちろん症状によって判断もする場合もありますが、確実に治療を行うためにはどうしても検査が必要になりますので、是非参考にしてみて下さい。

インフルエンザ迅速検査を受けたほうがいい症状とは

インフルエンザ迅速検査を受けるにも、インフルエンザかもしれないという自己判断が必要です。通常の風邪とインフルエンザの違いを知っておくと良いでしょう。

通常の風邪も病原体はアデノウィルスやRSウィルスなどのウイルスです。病原体に感染してから初期症状がでるまでの期間を潜伏期間といいますが、その期間が通常の風邪では5~6日に対してインフルエンザは1~2日程度と即効性があります。症状が出た時に感染しやすい場所にいたのはいつ頃だったかということも判断の目安にすると良いでしょう。

咳や鼻水、発熱などは風邪とインフルエンザのどちらにも共通するものです。しかしインフルエンザの初期症状に現れるのは部分的な症状よりは、だるさや関節痛、寒気、発熱といった全身症状になることが多いです。

こういったいつもの風邪と違うと感じた場合でも、インフルエンザ迅速検査を受けてみることが望ましいです。

インフルエンザ迅速検査の流れ

病院の診察において症状を話すと医師のほうで検査が必要かどうかを判断します。

その場で清潔な綿棒を鼻の奥の粘液をぬぐいます。ウイルスをしっかりと付着させるために少々強めに鼻の中をこすりますから、お子さんなどではかなり痛がるかもしれません。

検査結果が出るまでは5~15分くらいの時間を要します。

インフルエンザ迅速検査とは顕微鏡などでウイルスの存在を確認するのではなく、検査キットというものがあり、採取した粘液をセットします。キットにはインフルエンザウイルスにだけ反応する物質(抗体)が仕組まれているため、粘液の中にウイルス(抗原)があれば結合して色が変わる仕組みであり、インフルエンザのA型とB型の区別もつくようになっています。

インフルエンザ迅速検査には時間が重要、その理由

インフルエンザ検査には「48時間」がキーポイントになります。
理由はインフルエンザ治療薬の効き目に関わってくるからです。

インフルエンザは炎症症状である発熱が恐ろしいということではなく、1万分の1の確率ですが罹患した乳幼児がインフルエンザ脳炎の合併症を引き起こす、または体力の無い高齢者では、高熱による肺炎や体の機能不全などに発展してしまう恐れがあるということです。

こういったことを防ぐためにも早期に治療することが必要となります。
インフルエンザの薬が効力を確実に発揮する時間帯が発症後48時間以内なのです。

注意点

インフルエンザ迅速検査キットもさまざまな研究がなされ、確実性が深まってきています。 しかし現在のところは「インフルエンザであると特定できる確率」も「インフルエンザではないという確率」も両者が100%ではありません。

検査結果が陰性であっても絶対インフルエンザではないとは言い切れないということです。 検査結果が陰性だったとしても、医師の経験や判断によっては治療薬を処方することがありますが、その理由にはこういった背景があることを知っていただきたく思います。

また新宿、西新宿にお勤めをされている方が早期に当院内科を受診されて、検査結果が陰性である場合、再受診、再検査をお願いするケースがあります。理由は発症から12時間以内の場合はウイルスの数が少なく検査結果として現れないことがあるからです。

当院の医師が問診などを通して現状の検査結果だけではなく、再検査が必要と判断した場合には、患者様の健康をお守りするうえでも受診をお願いしたく思います。

インフルエンザ、ワクチン、インフルエンザ迅速検査における歴史

インフルエンザと聞くと、今年もやってきたかというように当たり前のウイルス感染症になりました。インフルエンザの発祥は1918年までさかのぼり当時の罹患者は38万人程度にもなったといわれます。

インフルエンザは今でこそ原因はウイルスであって、抗生物質は効果がないということは周知されていますが、当時はそこまでの研究が進んでいなかったため検査手段も治療薬もありませんでした。

インフルエンザワクチンは1962年から小児に対して集団予防接種が行われていましたが、流行を食い止めるという目的に疑問の声が上がり、任意接種となると同時に「インフルエンザは単なる流行病ではなく命に関わる重病」という認識に変わっていきました。

その流れで現代では、暗黙的にインフルエンザから自分守る対策を個々で行うようになりました。

インフルエンザ迅速検査においては歴史が浅く、初めに導入されたのは1999年からで、当初はA型インフルエンザだけの特定しかできず、インフルエンザは毎年形を少しずつ変えて抵抗力をつけて襲撃しに来ますので、A型だけの判断では意味がなく、数年後にはA型とB型の両方を判別できる検査キットが開発されました。

一部条件はありますが、インフルエンザ迅速検査は保険適応されています。

インフルエンザかな?体調が変だな?と自分の症状を疑うことと、早期に診察を受けることがインフルエンザの予防と対策になります。

新宿および西新宿に関わる方、または近郊の方が当院内科を受診されております。当院では患者様の身体的な面をはじめ治療費に関しましても、できるだけ大きな負担をかけないような診療をこころがけております。診療内容によって患者様自己負担の場合が生じた際には、しっかりとご説明し患者様の同意をいただいております。

インフルエンザ検査及び治療に際しましては、ぜひ信頼のおける当院へお越しいただきますようよろしくお願いいたします。

 

インフルエンザについて(国立感染症研究所)