胃腸炎・慢性胃炎
胃腸炎・慢性胃炎の治療・診察
新宿駅前にある当院内科では胃腸炎・慢性胃炎の治療も行っています。胃腸炎とは粘膜の急性の炎症で、おもにウイルスや細菌によって引き起こされます。
感染以外でも、刺激物の食べ過ぎ・飲み過ぎ、非ステロイド系消炎鎮痛剤・抗生物質の副作用、精神的なストレスで起きることもあります。
一方、胃の粘膜がつねに炎症を起こしている慢性胃炎では1ヶ月以上の長期にわたる症状もあります。吐き気、腹痛、胃の不快感、食欲不振などが起きることもありますが、自覚症状に乏しいケースもあります。あまり長引くと萎縮性胃炎に移行してしまい、胃の粘膜が縮んだ状態になってしまいます。
内視鏡検査を行わないと判明しない場合もありますが、できるだけ早くから治療をスタートすることが大事です。
胃腸炎の原因
胃腸炎の原因はウイルスまたは細菌がほとんどです。ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがよく知られていますが、いずれも冬に感染力を増すウイルスです。
一方の細菌はサルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、大腸菌などがありますが、こちらは夏場の食中毒を起こすことで有名です。
これらの細菌やウイルスの感染ルートはほとんどが手か口です。
もし、家族が胃腸炎になった時には吐瀉物や便の処理はよく注意しましょう。二次感染を防ぐためにしっかりとビニール手袋をして直接触らないようにします。処理の後には薬用石鹸を使用して指の間から爪の先まで丁寧に洗います。汚物も密閉して、間違えて他の誰かが触ることのないように注意しましょう。
病例と検査
急性の胃腸炎は吐き気、発熱、嘔吐、腹痛、下痢のようなわかりやすい症状が出現します。慢性胃炎をわずらっている人ならば胃の痛みというのがどんな感じなのかだいたい見当もつきます。
しかし、初めての胃痛というのはなかなかそれとは気がつかないことも多々あります。腹痛は腹痛でも、いつもの下痢とは違う場所が傷んでいるようなことがあったら注意しましょう。
また、急性の胃炎に非常によくありがちな嘔吐と水便が続くことで脱水症状に陥ることもあります。とくに高齢者や幼児は脱水症状を自覚しないことが多いので、まわりが気をつけなければいけません。ウイルス性よりも症状が重くなりがちな細菌性はとにかく早く治療することが大事です。
集団感染の食中毒というようなパターンもあるので、あわてずさわがず、内科医の指示に従いましょう。
慢性胃炎の治療方法
ウィルス感染による胃腸炎の場合、薬物による対症療法が中心です。現在、効果的な抗ウイルス剤が存在しないため、整腸剤や吐き気止めなどを用いて症状を抑えます。
また、細菌感染の場合は抗生剤を服用し治療するケースもあります。
嘔吐や下痢の症状が見られる場合には、脱水症状を起こさないように十分な水分補給を行うことが重要です。
特に、小さなお子さんは大人よりも脱水を起こしやすいので、市販の経口補水液などでこまめな水分補給を心がけましょう。それでも重度の脱水に陥ってしまった場合は、点滴などで水分と電解質を補給します。
症状が治まってきたら、すりおろしたリンゴやおかゆ、うどんなど、消化の良い食事を少しずつ食べて体力を回復させるようにしましょう。
診察までの対処方法
急性の胃炎にかかってもなかなか病院に行けない時には、診察までの応急処置としてはできるだけ胃に負担をかけないようにすることです。
脱水症状を予防するためにも水分補給はなるべくこまめにしましょう。その時に、お茶やコーヒーなどのカフェインを含むものではなく、スポーツドリンクや白湯などの胃に優しい飲み物を選ぶと良いでしょう。
吐き気を感じたら無理をしないで横になるようにします。胃と十二指腸のつなぎ目は体の右にあるので、右側を下にして寝るようしましょう。
ストレスも症状を悪化させるので、できるだけ心を落ち着かせて過ごすように心がけましょう。吐き気があるとアロマなどはきついかもしれませんが、ヒーリング音楽などを上手に取り入れてリラックスできるひとときを心がけたいところです。
慢性胃炎の原因
急性の胃腸炎がウイルスまたは細菌とわかりやすいのにくらべて、慢性胃炎はさまざまな原因が予測され一筋縄ではいかないのが特徴です。
不摂生、過食、飲み過ぎなど食生活にかかわることが比較的多いようです。脂っこいもの、刺激物をたくさん摂り過ぎるのも胃の粘膜を荒らす原因になります。暴飲暴食をやめて、栄養バランスの良い食事を決まった時間にとるように心がけましょう。できれば間食は避け、どうしても食べたい時は果物などビタミン豊富なものにしましょう。
その他の慢性胃炎の原因として、ピロリ菌感染というケースもあります。ピロリ菌はさまざまな胃の病気を誘発するので、できるだけ早く除菌するようにしましょう。
その他、アスピリン、非ステロイド系薬剤の副作用、加齢など理由はじつに多岐にわたります。
病例と検査
慢性胃炎は胃のもたれ、食欲不振がひとつの特徴です。なぜか食欲が出ないことが続き、気がついたらやせていたというような場合には慢性胃炎の可能性は少なくありません。よく、胃が弱い人はやせているといわれることがありますが、食べられないからという理由の方が大きいのです。
慢性胃炎のその他の特徴としては、胸焼け、胃の不快感・違和感・膨満感などが特徴です。重症化すると急性の胃腸炎に似た症状などもあります。だいたいがうっすらとした痛みや吐き気なので見逃されてしまうことも多々あります。自覚症状がないままどんどん悪化していることも少なくないので要注意です。
もし、いつもと違う感じを胃のあたりに少しでも覚えたら、念のために受診しておきましょう。胃の病気は最初が肝心なのです。
慢性胃炎の治療方法
慢性胃炎の治療は、薬物による対症療法が中心です。残念ながら、現在でも根本的な治療法は存在しません。腹部の不快感や胃のもたれがあれば、胃の調子を正常に戻すために胃酸分泌抑制薬や粘膜保護剤など胃腸の働きを良くする薬を服用します。ピロリ菌感染の疑いがある場合や、感染が確認された場合は、抗生剤の服用により除菌処置をします。
慢性胃炎の場合、症状に合った薬を長期間服用しなければならないケースも多く、慢性胃炎に処方される薬自体も数百種類におよびます。そのため、定期的に通院し、医師の指導の下で継続的に服用していくことが重要です。
また、胃に必要以上の負担をかけないよう、魚や豆腐、温野菜といったメニューの食事療法を行うことも効果的です。