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慢性肝疾患

概要

慢性肝炎の原因の大半は、ウイルスによるものです

アルコールの多飲による慢性肝障害は禁酒によって改善されますが、B型やC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎は徐々に進行し、肝硬変に至り種々の合併症を起こしますので、早期に発見して病気の進行を抑えることが重要です。

原因

B型急性肝炎による成人の感染は、わずかの重症例を除くと、治療により治癒し慢性化することはありません。

B型慢性肝炎は健康保菌者といわれるキャリアからの発病が主です。

B型肝炎ウイルス陽性のお母さんから生まれた時に感染し、免疫が不十分のためキャリアとなる例が殆どです。

最近ではウイルス陽性の妊婦の出産時には赤ちゃんに免疫グロブリンとワクチンが投与され感染予防が可能となっています。

治療法

 

インターフェロン療法
(抗ウイルス療法)

肝炎ウイルスを体内から排除して肝炎を根本から治すことを目的とした治療法で、C型慢性肝炎の治療の第一選択として考えます。

インターフェロン(IFN)という抗ウイルス作用を示す注射剤を用います。

この治療法は、現在、C型慢性肝炎を完全に治す可能性のある唯一の治療法で、約30%の患者さんからウイルスを排除することができます。

またリバビリンという飲み薬を一緒に使用すると、治療効果が増強されます。

作用が持続する新しいIFN製剤であるペグインターフェロンとリバビリンとを併用することで、50~60%の患者さんからウイルスを排除することができたという報告があります。

このウイルスを完全に排除すると、肝硬変や肝がんを起こす危険性が大幅に減少します。

肝庇護療法

インターフェロン療法ができない、あるいは効果がないと見込まれる患者さんへの治療法で、肝臓の炎症を抑え、ALT(GPT)・AST(GOT)値を低下させます。

なお、肝硬変、肝がんへの進行を抑えることができるとも考えられています。

使用される主な薬には、「ウルソデオキシコール酸製剤(内服する錠剤)」と「グリチルリチン製剤(注射剤)」があります。