腸炎
原因
急性腸炎では、下痢をおこすことがよくあります。
ここではその下痢の原因となっているものをご紹介します。
※下痢の際に、便に血液、粘液、不消化物、膿などがまじる、色がおかしい、においがおかしいなどといった場合や、下痢と同時に発熱、吐き気、嘔吐などの症状がみられるときは注意が必要なので病院で診察を受けてください。
腸の病気
食べ物とは無関係の下痢です。
腸の管、腸管と呼ばれる部位になんらかの原因で炎症、潰瘍、腫瘍があると下痢を引き起こします。
ふだん下痢をしないのに、ここ最近下痢が続くようになったと感じる方は、医師に相談してみるのがいいでしょう。
腸管内の病気が原因になっていることがあります。
自律神経の失調
腸の緊張を高める神経が異常に興奮することで下痢が起きます。
腸の神経が興奮することで、腸の運動が異常に激しくなったり、腸の分泌液が異常に多くなったりして下痢になってしまいます。
ストレス
小腸や大腸には腸の緊張を強める神経と弱める神経があります。
神経性腸炎とよばれるものの一種です。
感染症
ウイルスや細菌の感染により、下痢や嘔吐が起こります。
ウイルスや細菌が血液を通して腸に入り、腸の粘膜を刺激することによりこのような症状がおこります。
しばしば発熱を伴うこともあります。
感染による下痢を防ぐには手洗い、うがいをこころがけること、また生の食べ物などにも注意しましょう。
症状
- 長く続く
- 血便
- 発熱
- 吐き気、嘔吐
- 便に膿が伴う
- 色が白、赤、黄など通常と違う
- すっぱい、腐ったにおいがする
腸炎の代表的症状はなんといっても腹痛と下痢です。
腹痛や下痢が軽度でも以下のような症状が伴う場合はカラダからの危険信号の可能性があるので医師に相談してみましょう。
治療法
症状に合わせて、胃酸の分泌を抑える飲み薬(ガスター、アシノンなど)、胃の粘膜を守る飲み薬(ムコスタ、セルベックスなど)、整腸剤の飲み薬(ミヤBM、ビオフェルミンなど)、下痢止めの飲み薬(フェロベリンなど)などを使用します。
腸炎の種類
一言に腸炎と言っても、幾つかの種類があります。大別すると「感染性腸炎(食あたり、食中毒など)」と「薬剤起因性腸炎」「放射線腸炎」などに分けることができます。
食あたりは、腸炎の中でも特に患者数の多いケースです。主な原因は細菌汚染された食べ物や飲み物を口にしてしまうことです。原因菌としては、ウイルス、知名度の高いサルモネラ菌や大腸菌、黄色ブドウ球菌などさまざまな種類が存在します。
食中毒が発生する原因として最も多いのは「食品の不適切な保存」によるものです。冷蔵保存が必要な食べ物を常温で放置して、ウイルスや細菌が増殖してしまった食べ物を口にしてしまうことが主な原因です。食中毒の原因となる細菌の中には熱や冷気に強いタイプの細菌もあり、また、加熱することで死滅する細菌でも発生させた毒素もなくならないこともあります。
食中毒を発生させやすいケースとしては、海外旅行中の発症が多く見られます。特に、渡航先が衛生設備の整っていない場所である場合は要注意です。正しい方法で食材を保存できていない場合や、飲み水に関する設備が不衛生である可能性が高く、国内よりも食中毒のリスクを高めます。海外旅行や出張後に、新宿駅前の当院でも食あたりで内科を受診する方も少なくありません。
放射線腸炎は、放射線治療を受けた後に発症するタイプの腸炎であり、がん細胞を死滅させると同時に分裂中の正常な細胞も殺してしまいます。これにより、腸の細胞が修復する能力にも影響し、腸炎を発症してしまうのです。初期治療をおこなう新宿の当院内科では診断や治療はおこなっておりません。薬剤起因性腸炎は、文字通り薬剤の服用を原因として発症する腸炎です。原因となる医薬品は抗生剤が多く、他には非ステロイド性の鎮痛薬や抗がん薬、経口避妊薬によるものもあります。
脱水症の合併
腸炎の症状が慢性化したり、重症化している場合は、高確率で「脱水」の症状を呈することになります。特に、乳児や幼児は脱水の症状による身体への影響を強く受けやすく、命に関わることもありますので、脱水がひどい場合、早めに小児科を受診してください。新宿・西新宿にお勤めやお住まいの方で、脱水および腸炎が疑われる場合は、お早めに当院内科や、お近くの医療機関を受診してください。
腸炎の対処法
腸炎の症状には、しばしば下痢の症状を伴い、脱水を引き起こすことが多いです。そのため、脱水症状が継続しないように、十分な水分補給が必要になります。症状が軽い場合は、水分補給を怠らなければ数日で腸炎の症状が改善されることが多いです。
医療機関での治療に関しては、主に「薬物療法」が選択されます。具体的な治療内容としては、発生している症状に対する対症療法と、細菌性の腸炎であれば原因である細菌を駆除するために抗菌薬にて治療をおこなう場合もあります。
脱水を起こしている場合で、経口による水分補給が困難な場合は輸液を行います。また、食事制限も実施されます。多くの場合は刺激が少なく消化の良い食べ物であれば摂取できますが、刺激の強い食べ物や高脂肪の食べ物、飲酒は控えなければなりません。症状がひどい場合は、絶食を必要とする場合もあります。なお、新宿の当院では点滴療法はおこなっておりませんので、ご了承ください。
感染性腸炎の場合、多くは対症療法だけで完治させることができるケースが多いです。しかし、症状が重い場合や二次感染のリスクが高い場合などについては、抗生物質による抗菌薬療法を行います。
放射線腸炎の場合は、放射線治療中であれば放射線の照射を中止します。その後は保存的療法が中心となりますが、保存的療法が有効ではないと診断された場合は外科的治療が選択されることがあります。薬剤起因性腸炎の場合は、原因となる薬剤の投薬中止および対症療法が中心となります。
多くの場合は、脱水症状の予防のための水分補給と食事内容の改善によって、数日で完治することが多いです。しかし、慢性化する原因を抱えている場合は症状が改善しないことが多く、放射線や医薬品を原因としている場合は治療の継続によって症状が悪化してしまいます。新宿・西新宿にお住まいの方やお勤めの方で、腸炎の症状を自覚している場合は当院内科をお気軽に受診してください。