風邪
こんな症状が出たら耳鼻咽喉科に行きましょう
風邪をひくと、内科と耳鼻科どちらを受診したら良いか分からないという方が多くいらっしゃいます。基本的にどちらでも診てもらえるのですが、以下の症状が出た場合には専門分野となるため、耳鼻咽喉科にかかることをお勧めします。
のどの痛み
風邪をひいたら必ずと言っていいほどでるのどの痛み。風邪をひく前兆として症状が出る場合もあります。痛くなったからといってすぐに耳鼻科にかかる必要はありませんが、何日も症状が続いたり、その後熱が出たり、飲み込みが悪かったりする場合は医師に相談することをお勧めします。それらには必ず「原因」があるからです。炎症や腫れは放っておいても自然と治ることもありますが、ウィルス感染などによって大きな病気を引き起こすこともあります。そうなってからでは遅いですので、激しい痛みや熱などを伴った場合は速やかに耳鼻咽喉科にかかることをお勧めします。
鼻水がとまらない
鼻水は風邪の治りかけで良く症状がみられますか、「細菌やウイルスを追い出そうとする」ことが原因です。鼻づまりは、病原体(ウイルス)が中に入ってこないようにする働きをしているのです。これらの症状にもいろいろな治療法がありますが、例えば鼻水を吸い取るといったような方法もあります。このような場合、専門科である耳鼻咽喉科に行く必要があるのです。原始的ではありますが、これが鼻づまりや鼻水に効く最も有効な治療法だと言われています。加湿すると鼻水が柔らかくなって自分でも出しやすくなるので、是非お家でも実践してみてください。
耳に痛みが残る
風邪による耳の痛みは、特に耳鼻科にかかる必要があります。なぜなら、中耳炎や、耳管狭窄症、または耳管開放症の疑いがあるからです。これらは風邪の菌が耳の中に入って感染することによっておこります。ひどくなると、難聴や、耳が聞こえなくなるなどの症状になりかねないので注意する必要があります。
中耳炎などの病気は小さい子供がなりやすいと言われていますが、子供が耳の痛みを訴えるのは難しいものです。親御さんは、子供が風邪を引いた際に耳に異常がないか十分注意していてください。少しでも異常が見られる場合、または心配な場合は耳鼻科にかかることをおすすめします。
風邪の原因
風邪の原因は90%近くがウイルスであり、残りは細菌によるものといわれます。
ウイルスも種類が多く200種類を超えるということもあり、代表的なウイルスとして、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスなどが知られています。
またそれらのウイルスは毎年同じ形ではなく、自らの命をつないでいくために少しづつ変異することがあります。雨に当たったから、もしくは寒いから風邪をひいたなどといわれますが、あくまでもウイルスなどの侵入によって、感染を起こしたことで風邪の症状がでるのです。
ウイルスも細菌も体内に侵入しただけでは風邪の症状は生じません。そういった外敵に対する人の体の免疫力が弱い場合に、鼻水やのどの痛み、咳などの症状がでます。そういった意味では大きな原因は免疫力の低下ともいえるでしょう。
風邪はある程度は免疫力によって自然に治癒しますが、体力がない場合には中耳炎や肺炎などを引き起こすケースもあります。
風邪の治療薬
新宿の当院内科はもちろん、他の耳鼻科や耳鼻咽喉科、その他の医療機関で、風邪の治療に処方される薬は、風邪のウイルスを直接やっつけるものではありません。
風邪によって喉の痛みや咳、鼻水、発熱などの苦痛症状をできるだけ緩和していくための対処療法の薬になります。
・解熱鎮痛薬:発熱、関節痛、頭痛、筋肉痛を和らげます。
・抗ヒスタミン薬:くしゃみ、鼻水、鼻づまりの原因となるヒスタミン成分を抑えます。
・抗炎症薬:気道粘膜などの炎症を抑え、喉の痛みを緩和します。
・去痰剤:痰切れを良くして、咳や喘鳴などを軽減します。
・整腸薬:下痢などを引き起こしている場合、腸内細菌のバランスを整えます。
またウイルスが原因の風邪に対しては、抗生物質の効果はありません。抗生物質は病原体が細菌である場合に効果を示すため、通常の風邪には処方しないことが多いです。
しかし患者様によっては、肺炎など合併症の危険がある場合には処方することがあります。
風邪の歴史
風邪は胃潰瘍のように限局された病名というよりは風邪症候群といわれ、鼻やのどの症状をもつ急性炎症の総称です。他の病名に比べると、病状とは一致しづらいと感じる方もいるのではないでしょうか。
風邪という病名は、古代中国医学からの発祥となります。病気の根源は大気の動きによるものという神がかりな発想であり、「邪気」と呼ばれていました。
体の中に悪い風を引き入れることで病気になるということから、今に至っても「風邪をひく」という言葉が残っているといわれます。西洋医学が日本に入ってきた明治時代には、「かぜ症候群」という概念が広がり、風邪の漢字は残し、読み方だけを「かぜ」と定義するようになりました。